近視進行抑制治療について

近視進行抑制治療

 子供の近視は、主に眼球が楕円状に伸びてしまう(眼軸長が伸びる)ことで、ピントの位置がずれることによって生じます。近くを見ることが習慣化してしまうと近視になりやすく、一度眼軸長が伸びてしまうと戻ることはありません。そのため、眼軸長の伸びを抑えることが、近視の進行を抑制するためには重要となります。
近視進行抑制治療として、当院では低濃度アトロピン治療やオルソケラトロジーを行っております。

低濃度アトロピン点眼治療

 アトロピン配合点眼薬には眼軸の伸展を抑制する効果があるといわれ、近視の進行を遅らせることが実証されています。
アトロピン1%点眼を使用した近視治療は1960年から行われていますが、散瞳(瞳孔が拡がる状態)によるまぶしさ、目の調節機能(ピントを合わせる機能)の低下による読み書きの困難、アレルギー症状、不快感などの副作用がありました。これらの副作用を克服するため、シンガポール国立眼科センターの研究に基づいて低濃度アトロピン点眼「マイオピン0.01%」が開発されました。
 近年アジア諸国において、低濃度アトロピン点眼は近視の進行抑制効果があると報告され、副作用もほぼないことが確認されました。また、アトロピン濃度を濃くすることにより、より近視を抑制する効果が高くなることが報告されています。2025年4月、参天製薬からアトロピン0.025%点眼として「リジュセアミニ点眼液」が発売されました。当院では、これら2種類の低濃度アトロピン点眼液を使用した小児期の近視進行抑制治療を行っています。
マイオピンで近視抑制効果が弱い場合、リジュセアミニを使用することで効果が得られやすいと考えられます。ただ、アトロピン濃度が濃い方が、まぶしさや手元の見えにくさ等の副作用がやや出現しやすいと考えられます。

【治療に使う点眼薬】

  • 低濃度アトロピン点眼薬
    アトロピン0.01% (製品名:マイオピン0.01%)、アトロピン0.025% (製品名リジュセアミニ0.025%)
  • 点眼方法 両眼1日1回点眼 (マイオピンは1カ月に1本使い切り、リジュセアミニは1回使い切りタイプで1箱30本入り)
  • マイオピン0.01%
  • リジュセアミニ0.025%

【治療の流れ】

  • 初回
    視力、眼軸長など近視の精密検査を行います。適応であれば1ヶ月分(マイオピン1本/リジュセアミニ1箱)の低濃度アトロピン点眼を処方します。
  • 1ヶ月後
    点眼の効果や副作用の有無などを確認します。治療の継続をご希望であれば3ヶ月分(マイオピン3本/ジュセアミニ3箱)の低濃度アトロピン点眼を処方します。その後は3ヶ月ごとに視力や眼軸長の変化を確認していきます。 

【低濃度アトロピン治療の費用】

 マイオピンおよびリジュセアミニを使用した近視進行抑制治療の費用は以下のようになります。これらの治療は自由診療となり、保険診療や子ども医療費助成制度は適応されません。

初回治療費用マイオピン1本+検査・診察6,050円(税込)
3ヶ月ごとの治療費用マイオピン3本+検査・診察12,100円(税込)
初回治療費用リジュセアミニ1箱(30日分)+検査・診察7,150円(税込)
3ヶ月ごとの治療費用リジュセアミニ3箱(90日分)+検査・診察14,300円(税込)

オルソケラトロジー

オルソケラトロジーは、特殊なデザインのコンタクトレンズで角膜の中央部を平坦化させることによって近視を矯正します。
夜寝ているときだけコンタクトレンズをつけ、朝起きたらコンタクトレンズをはずすので、日中は裸眼で快適に過ごすことができます。当院では、2009年に日本で初めて厚生労働省の承認を取得した「メニコンオルソK」を使用して治療を行っています。
近年、オルソケラトロジーは近視の進行を抑制する効果が期待できる治療としても注目されています。

  • 装用前(近視の状態)
    目は入ってきた光を角膜と水晶体で屈折させて、網膜上で焦点を合わせることにより像として捉えます。近視の場合は、この焦点が網膜より手前で結ばれるために像がぼやけて見えます。
  • 装用中
    レンズを就寝時に装用することで、角膜前面の形状が平坦化し、焦点が網膜上で結ばれて近視が矯正されます。
  • 装用後(裸眼時)
    レンズによって平坦化された角膜前面は、レンズをはずしても一定時間形状を保つため、日中は十分な裸眼視力が維持されます。

【治療の流れと費用(税込)】

  1. 適応検査とトライアル装用:5,000円
    オルソケラトロジーレンズの装用に適しているか、近視の度合いや目の健康状態を調べる「適応検査」を受ける必要があります。適応検査で問題がなければ、トライアルレンズを装用していただきます。
  2. お試し装用(約1ヶ月間):50,000円(現金)
    個々の目の状態に応じた「専用レンズ」を装用します。約1ヶ月間お試しいただき、治療の継続をするかを決めていただきます。お試し装用に満足されなかった場合は、費用を30,000円返金いたします。お気軽にお試しください。
  3. 治療(レンズ装用)の継続:100,000円(初年度)
    お試し装用に満足され、治療を継続される場合は、初年度にかかる追加費用をお支払いいただきます。

{費用に含まれるもの}

  • 1年間の定期検査費用
  • レンズ装用に必要なケア用品の費用(初年度1年分)
  • 治療を継続している間は、3ヶ月ごとに定期検査が必要です。
  • 定期検査では、近視の状態、眼の健康状態、レンズの検査などを行います。

【その他の費用(税込)】

レンズの買い替え
※少なくとも2年ごとの買い替えをお勧めしています。
30,000円 / 1枚
レンズの紛失時30,000円 / 1枚
2回目以降のレンズの破損
※1年以内の破損は左右1回に限り無料で保証します。
ただし、破損レンズの半分以上の返却が必要です。
30,000円 / 1枚